第149回芥川賞受賞作品、藤野可織さんの「爪と目」。
冒頭の文章に意表を突かれます。
謎の死をとげた母に変わって、試し期間付きで家に入ってきた女性を3歳の娘が語る、二人称小説。
「あなた」の世界観はコンタクトレンズがなければ成り立たない。目が「あなた」を象徴します。
「わたし」は、突然家に入ってきた異質物へのストレスで、爪噛みが止まらなくなる。
爪と目…異質物同士…
色のない無機質な文体で、静かに訥々と語られていきます。
そして、最後は…
心理ホラー的怖さを内在していて、引き込まれました(≧∇≦)
藤野可織さんは33歳。芥川賞候補2作品目で受賞という実力の作家です。(前回芥川賞候補作品「いけにえ)